ドローンと知性とゲームと「未来の二つの顔」
どうやらゲーム開発者らしいのに全然ゲームの話題を扱ってない、えのきです。
ちょっと前にはてなブックマークで見掛けたこちらの記事。
私的にはドローンと聞くだけでも「未来の二つの顔」がすぐさま思い浮かんじゃうんですが、火炎放射器まで付いちゃったらもう完全に一致というかね。
「未来の二つの顔」とは
「未来の二つの顔」というのは J. P. ホーガンの SF 小説で、日本の SF 漫画家である星野之宣さんがコミカライズしています。私が読んだのはコミック版のほうです。
こーんな感じの「ドローン」が、
色々あって火炎放射器なんか備えちゃって‥
「未来の二つの顔」より引用
あまり書くとネタバレになっちゃうので、詳しくは書きません。
この漫画は超!!!面白いので、気になる方には是非とも読んでみてもらいたいです。
「ドローン 」の定義
この漫画からドローンの知識を仕入れたワタシ的には、ドローンをドローンたらしめるには以下の要素が不可欠じゃないかなぁと思っているのですが。
- 自律動作できること
- 滞空静止できること
はて? いま読み返してみると、2 の要素は作中では特に必須ではない気がしますね。どこからのイメージだろう??
いま世間で言うところのドローンは、何となく 2 を満たせばそう呼ぶ感じになってますね。人間が操作するものも多いみたいですし。もしかしたら、滞空するために姿勢制御を行っているので「自律動作している」というニュアンスなのかも?
ドローンブームの走りとなった Amazon の自動配達構想は、さすがにちゃんとだいぶドローンっぽいですが。
まぁ今のところ割と曖昧な、フワッとした言葉のようですけど。たぶん上記の定義でそんなに外れてないかなと思います。
でも私が言うところの 1 は、もちっと知性的なニュアンスを含むんですよねぇ。なので姿勢制御だけだと、ちょっと物足りないというか。「これってドローンじゃなくてただのラジコンじゃん?」っていう感想を持つこともしばしば。
知性とゲームの関係
作中のドローンおよびその親玉のコンピューターは、およそ自律動作などという甘っちょろいレベルではない、「知性」や「意志」といったものの存在まで感じてしまうほどの振る舞いを見せます。
これが非っ常~に面白く興味深かったので、会社の AI を専門とする同僚に「面白いから是非読んでみて!」と本書を紹介したんですよ。そしたら思った通りにハマってくれました。ニヤリ。
「いつかウチらのゲームの中で“ヤヌス”を再現したいねぇ!」(※1)
なーんて盛り上がったのも、そんなに昔じゃないんですけどね。まさか会社を去ることになろうとは。世の中わからんもんです。
うん、閑話休題。
「AI」ってのが何かと言うと、知性を為すためのロジックというか構造というか‥ まぁアレですね、ドローンの脳みそ。
近年のゲーム、特に HD ゲーム(PS4 などの高精細ゲーム)では、AI の注目度が高いんですよ。「不気味の谷」ってあるじゃないですか? 見た目がリアルになればなるほど、振る舞いの偽物感が際立って怖い!っていうアレ。その谷を埋めるための勘所として、AI は期待されてたりします。
とは言えなかなか AI を中心にマシンパワーやリソースを割く訳にはいかなかったりするもので‥ 本当に「知性」とか「意志」を感じられるようなゲームが登場するのには、もう少し掛かるかもしれませんね。
もしかしたら「人喰いの大鷲トリコ」あたりはその片鱗を見せてくれるのかも?と、いちファンとしてもゲーム開発者としても、期待してたりするのですが。
※1 : ヤヌス=作中に出てくる AI の大規模実験用スペースコロニー
あ、なんか、特にオチが無い感じになってしまったな‥
以上、たまにはゲームの話題でもと思って失敗気味の、えのきでした。